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リングがバングルへ。いよいよ完成です。

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前回は、使わなくなったシルバーリングを溶かし、自分サイズのバングルを作るところまでをご紹介しました。今回は、いよいよ主役となるモアッサナイトを取り付けていきます。

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石の向きで印象が変わる

モアッサナイトを縦向きに置いています
モアッサナイトを横向きに置いています

リングから取り外した台座を再利用することにしたので、まずは石をどの向きで留めるかを考えました。縦向きにするとすっきりとした印象。横向きにすると少しやわらかく、存在感も増します。

実際に手首に乗せて何度も眺めながら、「どちらが自分らしいかな?」と何度も付け替えて考えました。

こうして実際に身に着けるように試せるのも、自分で作る楽しさの一つですね。

石の位置にも、ちょっとしたこだわりを

今回、一番悩んだのが台座を留める位置でした。市販のバングルは、中央に石が配置されているデザインがほとんどです。

ところが先生のお話では、実際に身に着けていると時計やバングルは少しずつ外側へ回転しやすいそうです。せっかく石を留めても、気が付くと外側を向いてしまっては少しもったいない…。

そこで今回は、あえて中央ではなく、石一つ分だけずらして台座を取り付けました。こうすることで、自然に着けている時でも、自分の目にモアッサナイトが入りやすくなります。

手元で石がきらりと輝くのが見えると、それだけで少し気分が上がります。さらに今回は同じデザインを2本制作しているので、左右を入れ替えれば、

  • 石をずらして見せたり
  • 両方とも並べて見せたり

と、その日の気分で印象を変えて楽しめるようにしました。ほんの数ミリの違いですが、見た目だけでなく、身に着けた時の楽しさまで考えながらデザインしています。


台座も生まれ変わる

リングから外した台座

石を外したあとの台座は、そのまま使うのではありません。欠けた爪を付け直し、新しいバングルに合わせてもう一度使える状態に。長年リングとして活躍してきた台座が、今度はバングルの一部として生まれ変わります。


いまだに苦手なロウ付け

そして、いよいよ台座をバングルへロウ付けします。実は、この工程はいまだに苦手です。火が弱すぎてもロウは流れませんし、強すぎるとロウが思わぬ方向へ流れたり、作品全体に熱が回りすぎたりします。

しかも、扱う地金によって熱の伝わり方や適切な火加減は変わります。シルバーだけでなく、プラチナや18金などさまざまな素材に触れる機会があるため、「このくらい」という感覚がなかなか身に付きません。

それでも、何度かやり直しながら無事にロウ付けを終えることができました。ロウ付け後に硫酸で酸洗いをした状態がこちらです。

ロウ付け後、硫酸につけたバングル

ロウ付けが終わったら、いよいよ研磨です。ヤスリや研磨を重ね、美しく仕上げました。今回特にこだわったのが鏡面仕上げ。全面ピカピカにしたかったので、自分の姿が映るほど丁寧に磨き込みました。


思わず出た一言

鏡面仕上げの完成形

今回、こんな大きな作品を一から制作したのは初めてでした。磨き終えたバングルを手に取った瞬間、

「本物のジュエリーみたい!」思わずそんな言葉が口から出てしまいました。

もちろん本物のシルバー925なのですが(笑)、自分の手でここまで形にできたことが嬉しくて、しばらく眺めてしまいました。


最後の仕上げへ

もちろんダイヤモンドだったらさらに贅沢な一本になったのでしょうが、モアッサナイトも負けないくらい美しい輝きを見せてくれています。

現在は、さらに美しく長く使えるよう、

  • ロジウムコーティング(シルバー)
  • 金メッキ(ゴールド)

へ加工に出しています。本当はヴェルメイユ仕上げにしたかったのですが、お願いできるところが見つからず、今回は断念しました。

ヴェルメイユ仕上げとは?

ヴェルメイユ(Vermeil)は、シルバー925を土台に、厚みのある18金や22金などの金をコーティングする技法です。一般的な金メッキよりも金の層が厚いため、美しい色合いが長持ちしやすく、高級ジュエリーにも用いられています。

海外ブランドではヴェルメイユ仕上げのジュエリーも多く、シルバーの扱いやすさとゴールドの華やかさを兼ね備えているのが魅力です。カルティエの時計にも使われている技法です。

今回は実現できませんでしたが、いつか挑戦してみたい仕上げの一つです。


思い出のリングが、新しい相棒に

元にしたリングその1:バングルには、両端のモアッサナイトを再利用しました。中央の石も今後再利用予定です。
元にしたリングその2:取り外したモアッサナイトは今後再利用予定です。

実は、このモアッサナイトのリングは、子どもたちが小さかった頃にネットで購入したものでした。公園のお砂場遊びや水遊びでも気兼ねなく身に着けられるよう、シルバー925とモアッサナイトを選んだのです。

子どもたちが成長すると、このリングを身に着ける機会は自然と少なくなりました。まさか何年も経ってから、こんな形で再び身に着ける日が来るなんて。当時は想像もしていませんでした。

でも、それができるのも彫金の魅力。

思い出の詰まったジュエリーを、今の自分に合うデザインへと生まれ変わらせることができます。メッキ加工から戻ってきたら、シルバーとゴールド、2本並んだ完成形をご紹介したいと思います。

私自身も、今からとても楽しみです。

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この記事の著者

秋山 良枝

広島県生まれ。2歳から11歳までブラジルで過ごす。神戸市の大学を卒業後、5年間企業勤め。30歳で看護師免許を取得。
都内の大学病院勤務を経て子育て中に 子どもが中身を把握でき、自ら探せるポーチを手作りしたことがリバティ×リバティの原点。
2013年から制作活動を開始。看護師の経験を生かし、お子様からご高齢の方まで誰もが使いやすいポーチ作りに励んでいる。

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