秋山 良枝
広島県生まれ。2歳から11歳までブラジルで過ごす。神戸市の大学を卒業後、5年間企業勤め。30歳で看護師免許を取得。
都内の大学病院勤務を経て子育て中に 子どもが中身を把握でき、自ら探せるポーチを手作りしたことがリバティ×リバティの原点。
2013年から制作活動を開始。看護師の経験を生かし、お子様からご高齢の方まで誰もが使いやすいポーチ作りに励んでいる。
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忙しすぎて目まぐるしい日々を過ごしています。そんなこんなで趣味ブログもすっかり遠のいていました。今日は久しぶりに、彫金の話を書いてみようと思います。
今回ご紹介するのは、友人から相談を受けたK18リングのリメイクです。このリングは、ご主人のお母さまから生前譲り受けた大切なもの。しかし普段あまりリングを着けない彼女にとっては少し大振りで、そのままではなかなか出番がなかったそうです。


「もっと気軽に身につけられるようにしたい。でも、溶かして全く別のデザインにしてしまうのは避けたい。」
そんな相談から今回のリメイクが始まりました。
元のリングは6グラムを超える存在感のあるデザイン。透かし模様による抜け感があり、V字のシルエットのおかげで指をすらりと長く見せてくれます。中央には深い青色の石、その両脇にはダイヤモンドが留められていました。
受け継いだ大切なリングだからこそ、元の雰囲気はできるだけ残したい。友人と相談を重ねた結果、中央のデザインを活かしながら、シンプルな約2mm幅のリングへ作り替えることになりました。
デザインが決まったら、切り落とす部分をマジックでマーキングします。

一度切ってしまうと元には戻すのは大変です。どこを残し、どこを取り除くのかを何度も確認しながら慎重に線を引いていきます。
今回残すのは中央のひし形部分。糸鋸を使って余分な部分を切り落としていきます。大切なリングに鋸を入れる瞬間は、少し緊張します。
周囲を切り落とし、ひし形のモチーフだけが残りました。

こうして見ると、もともとのリングの印象とはずいぶん違いますが、不思議と元のデザインの面影はしっかり残っています。
今回のご依頼では、できるだけ元のリングの素材を使いたいという希望がありました。そこで切り落とした部分を新しいリングの腕に再利用することに。切り離した地金をるつぼに入れ、バーナーで溶かします。

形は変わっても、使われている金はご主人のお母さまが身につけていたリングそのもの。これもリメイクならではの魅力だと思います。
溶かした地金は、叩いて伸ばし、なまして柔らかくし、また叩く。そんな作業を何度も繰り返します。金属は加工すると硬くなるため、途中でなましを入れながら少しずつ形を整えていきます。
十分な長さになったところでローラーに通し、約2mm幅の棒状に加工。さらに希望サイズに合わせて円形に成形しました。

もともとは大振りな透かし模様のリングだった地金が、今度はシンプルなリングの腕へと姿を変えています。
成形した腕と、切り出したひし形のモチーフをロウ付けして一体化させます。

位置が少しでもずれると印象が変わってしまうため、バランスを確認しながら慎重に作業を進めました。まだ表面は荒く、酸化被膜も残っていますが、この段階でようやくリングらしい姿が見えてきます。大振りだった元のリングの面影を残しながらも、ずっと軽やかな印象になりました。
ロウ付けが終わった後は、モチーフと腕のつながりを整えていきます。

元のリングは一定の流れを持ったデザインだったため、切り出しただけでは一部に不自然な余白が残ります。そこで必要な箇所に金を足し、違和感なくまとまるよう形を作っていきました。
また、指に直接触れる裏側も丁寧にやすりをかけて整えます。
普段は見えない部分ですが、こうした仕上げが着け心地を大きく左右します。派手さはない工程ですが、毎日身につけてもらうためには欠かせない大切な作業です。
磨きの工程前ですが、現在の姿がこちらです。



元のリングの特徴だった透かし模様を活かしながら、シンプルな腕と組み合わせることで印象が大きく変わりました。
6グラムを超える存在感のあるリングだった頃に比べると、ずいぶん軽やかな雰囲気になっています。それでも中央の青い石や透かし模様には、元のリングの面影がしっかり残っています。
実際に指につけてみると、幅広リングだった頃の華やかさを感じさせながらも、日常使いしやすいサイズ感になりました。透かし部分が光を通すため重たい印象にならず、指もすっきりと見えます。
また、腕を細くしたことで着け心地も大きく変わりました。譲り受けたリングの雰囲気はそのままに、自然と手が伸びるリングになりそうです。
まだ最終仕上げ前の段階ですが、友人と相談しながら考えたデザインが少しずつ形になってきました。
現在は最終調整の段階です。ここから細かな磨きや石留めの確認を行い、来週には完成する予定です。
譲り受けたリングの思い出を残しながら、今の持ち主が気軽に身につけられるリングへ。
完成した姿も、改めてブログでご紹介したいと思います。
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