秋山 良枝
広島県生まれ。2歳から11歳までブラジルで過ごす。神戸市の大学を卒業後、5年間企業勤め。30歳で看護師免許を取得。
都内の大学病院勤務を経て子育て中に 子どもが中身を把握でき、自ら探せるポーチを手作りしたことがリバティ×リバティの原点。
2013年から制作活動を開始。看護師の経験を生かし、お子様からご高齢の方まで誰もが使いやすいポーチ作りに励んでいる。
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名前は分からないけど「リバティの柄」だと分かる、そんな方が多くいらっしゃいます。
なぜ、たくさん花柄モチーフが溢れているの世の中で、「リバティ柄」と認識できる人が多いのでしょうか。
その理由は、リバティプリントに多くの魅力が隠れているからだと思います。
今回は、そのリバティの魅力について見ていきたいと思います。
イギリス・ロンドンにある「リバティ社」が手掛けるテキスタイルブランドを総称して、リバティプリントと言います。
現代も新しく生み出され続け、100年以上経った今でも可愛らしさや優美さを大切に守りながら作られています。
では、リバティ社の歴史を振り返ってみます。
1875年
創業者 アーサー・ラセンビィ・リバティが、東洋の装飾品や美術品などを扱うお店を始めます。(リバティ商会)
アーサー・ラセンビィ・リバティ
そこでイギリスの染織家が、インドの小花柄・アラブの更紗(サラサ)柄・日本の小紋柄などに影響を受けプリントを始めます。
その異国情緒あふれる美しいプリントが人々を魅了していきます。
1890年代
イギリスのテキスタイルデザイナーであるウイリアム・モリスをはじめとするアール・ヌーヴォーの活動家たちがデザインに参加します。
1900年代
リバティ独自のプリントアートファブリックを開発、これが現在の「リバティ・ファブリックス」ブランドの始まりです。
リバティファブリックスの象徴というと、「タナローン」という上質なコットン素材があげられます。
タナローンは、非常に細い上質な綿ローン糸で織り上げられているので、織の密度が高く、しなやかで柔らかく、手触りも良く、シルクのような光沢がある生地です。
英リバティのHPでは、「タナは、執念によって作られた生地」と紹介しています。
「過去1世紀にわたる新しい技術開発や芸術的ムーブメントと共に成長し、進化してきた生き物」とも表現しています。
執念によって作られた生地・タナローンには、インド、エジプト、米国で栽培されたコットン繊維が使われています。
当時、原料の長繊維綿の原産地だったエチオピアの「タナ湖」にちなんで「タナローン」と名づけられました。
タナローンは、社内のアーティストによってデザインされ、その後イタリアのコモ湖の近くにある自社工場でそのほとんどがプリントされています。
コモ湖畔はヨーロッパの繊維産業の中心地です。
タナローンのことを、リバティジャパンのHPではこう説明しています。
リバティ・ファブリックスのファンに長年愛されてきたタナローンは、常にクリエイターの想像力をかきたててきました。クラシックにもエキセントリックにも、ノスタルジックにも最先端にも見えるカメレオンのような魅力を持ち、世界的に有名な高級デザインハウスからクラフト作家により、さまざまなアイテムが作られてきました。
シルクのような手触りと美しい発色、そして通気性に優れ、洗濯機で丸洗いできる快適さを兼ね備えた、汎用性の高いファブリックの一つタナローンは、ホームウェアやアクセサリー、ファッションアイテム、キルティングアート作品など、あなたの想像力次第でさまざまな可能性が広がります。
https://www.liberty-japan.co.jp/features/design-and-living/1587#:~:text=%E3%81%93%E3%81%AE%E7%94%BB%E6%9C%9F%E7%9A%84%E3%81%AA%E8%A3%BD%E5%93%81,%E4%BB%98%E3%81%91%E3%82%89%E3%82%8C%E3%81%BE%E3%81%97%E3%81%9F%E3%80%82
タナローンは、洗濯機で気軽に洗え、干す際にシワを伸ばして陰干しすればアイロンは不要で、ほぼ色褪せすることがなく、長く愛用することができます。肌触りが良く、驚くほど通気性が良く、一度着ると忘れられない着心地です。
着心地が良いだけでなく、この生地は洋裁やカルトナージュにも圧倒的に使いやすい生地でもあります。生地を切ってもほとんど糸くずが出ません。それは、繊維の長い「長繊維綿」といわれる綿花を使用しているからです。
綿は繊維の長さによって分類されています。
21mm以下のものを短繊維綿
28mmまでのものを中繊維綿
28mm以上のものを長繊維綿
(長繊維綿の中でも繊維長が35mm以上の長いものを超長綿(ちょうちょうめん)と言います)
着用する側からしても、作る側からしても、タナローンは一度手に取るとその虜になってしまう素晴らしさが詰まっています。
リバティの柄は50000種類以上あり、柄だけでなく色のバリエーションも豊富です。
緻密な柄や大胆な大花、優しい雰囲気の小花柄、アールヌーボー柄やモノトーンの柄もあります。それぞれ様々なタッチで描かれています。
そのデザインは手描きの技術に基づき、一つ一つの柄が芸術作品のように繊細に描かれています。これらが人々を魅了する理由の一つだと思われます。
ちなみに、リバティファブリックスのタナローンの生地は、以下の3種類のコレクションに分かれています。
エターナルコレクション
シーズナルコレクション
カプセルコレクション
(コレクションについて、詳しくはこちらをご覧ください。)
現在もシーズンごとに、テーマに沿った100種類もの新作が発表されています。
美しい庭園から野生の山の牧草地、熱帯のジャングル、珍しい砂漠の花まで、自然界の美しさからインスピレーションを得続けています。
リバティプリントが進化し続け、毎年新しい柄が生まれ続けていることも人々を魅了する理由のひとつです。
1884年にリバティは婦人服部門を設立しました。
フランスを始め人気が拡大し、その後イヴ・サンローランなど数々の有名ブランドのコレクションに採用され、ファッション業界において確固たる地位を築いていきます。
2009年にはエルメスがリバティファブリックでスカーフやネクタイを作って話題になりました。↓こちらはソープ柄のスカーフです。
現代も、数多くのブランドがリバティを使ったコレクションを発表し続けています。
リバティは常にトレンドを発信し、世界の人々を魅了するブランドとなっています。
日本では小物や洋服、靴にいたるまでリバティプリントの商品が溢れています。リバティプリントの生まれた国・イギリスではないのに、リバティプリント自体がとても身近な国だと思います。
その理由はこうです。リバティのタナローンはイタリアにある自社工場で作られていると前述しましたが、実は日本でも生産されているのです。
1978年に「リバティ社」から日本への生地の輸出が始まりました。
その後1980年代には日本とのライセンス契約が行われ、日本でリバティプリントの生産がスタートしました。それを担っているのが株式会社リバティジャパンです。
リバティジャパンの事業内容は以下のとおりです。
英国リバティ社製 “LIBERTY FABRICS”生地、及び”LIBERTY”製品の輸入ならびに小売、卸売
英国リバティ社が保有するプリントデザインを使った国産生地の製造及び卸売
英国リバティ社が保有するプリントデザインのサブライセンス
このリバティジャパンの存在が、日本でリバティプリントがより身近になっている要因でしょう。
ちなみに、日本で生産されるリバティ生地の技術と品質は、とても高く評価されています。一流のブランドで採用されるイギリスの老舗「リバティ社」の厳しい審査基準をクリアした上に高く評価されるなんて、日本人としてとても誇らしいことです。
(国産タナローンについて詳しくはこちらをご覧ください)
リバティプリントには全てに名前がついています。例えばこちらは
先ほどエルメスのスカーフのお話でお見せした柄「ソープ」の縮小版です。LIBERTY.のHPではそれぞれの柄の説明も掲載されています。ちなみにソープヒルの柄はこう記されています。
リバティ・ファブリックスのクラシックコレクションとしても特に人気の高い「ソープ」の縮小版です。1968年に制作された緻密で詳細なこの花柄は、1979年のリバティ初のクラシックコレクションに収録されたデザインのひとつです。
https://www.liberty-japan.co.jp/item/detail/1_2_36300115-TEE_ZE_LF/ZE
一度は目にしたことがあるでしょう、こちらは有名なエミリー柄です。
先ほどこちらでご紹介した柄の色違いです。
LIBERTY.のHPではこの柄を以下のように説明しています。
1940年に初めてプリントされた柄で、ガーデニング愛好家のお庭をイメージして様々な花をミックスしたフラワーデザインです。歴史あるリバティ・アーカイブに対するトリビュートとして、受け継いだ秘蔵のデザインを新たにアレンジし2006年春夏コレクションで登場しました。
https://www.liberty-japan.co.jp/item/detail/1_2_06-3636163-TEE_AE_LF/AE
このように、リバティプリントにはひとつひとつの柄に名前がついており、そして何をイメージして作られたのか、その世界観を知ることができます。
デザイナーの熱意や、その柄が完成するまでの背景に思いを馳せるのも素敵な時間です。
毎年100種類もの新しいリバティプリントが発表されると前述しました。新しい柄が生まれるだけでなく、過去の柄を再考し時代を超えて生まれ変わる柄もたくさんあります。
一例をご紹介します。
この「フォービドゥン・フルーツ」は、ウィリアム・モリスの大人気の作品「いちご泥棒(ストロベリーシーフ)」をトロピカルに解釈したものです。水彩絵の具と鉛筆を使って描かれた緻密なデザインには、熱帯の鳥、咲き誇る色とりどりの花、柑橘類が描かれています。
こちら↓が、元になったウィリアム・モリスの「いちご泥棒(ストロベリーシーフ)」です。
英LIBERTY.では、この「エルムハウス」を以下のように説明しています。
ウィリアム・モリスの「スイカズラ」のアートワークにインスピレーションを得て、柔らかい水彩画で描かれたプリムラとヒメヒオウギを新しい解釈で表現したものです。オリジナルの繰り返しのドラマ性を強調し、花と葉を織り交ぜて渦巻くアーツアンドクラフツの雰囲気を醸し出しています。
こちら↓がウィリアム・モリスの「スイカズラ」です。
いかがでしょうか。
今回はウィリアム・モリスの芸術作品をリバティが再解釈した2点ご紹介しました。リバティプリントは、このように昔の柄を元に新しいデザインが生まれることが少なくありません。
現代でも昔の芸術を感じられるリバティプリント、奥深いと思いませんか?
リバティプリントの魅力が伝わりましたでしょうか。
高品質なタナローン。流行にとらわれず普遍的なのに最先端なデザインでもある、そんな不思議な力を持つリバティプリント。
長い間いろんな世代に愛され続けた理由は、まだまだたくさんあると思います。皆さんもそれぞれリバティプリントの魅力を探してみてください。
この記事を読んで、リバティプリントをより身近に感じて頂けると幸いです。
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