BLOG & INFO

ラミネートについて

ラミネート生地とは?

#ビニールコーティング#ラミネート#ラミネート加工#ラミネート生地#ラミネート生地のメリット#ラミネート生地の特徴

リバティ×リバティで販売している商品は、主にタナローンをラミネート加工した生地で作っています。一般的に、ビニールコーティング生地、ラミネート生地と言われるものです。そもそも、ラミネート生地とはどのようなものなのでしょうか。

ラミネート加工とは

ラミネート laminate:(…を)薄片に切る、薄板に打ち延ばす、(…に)薄板をかぶせる

ラミネート加工 lamination:薄板にすること、薄片状、積層物、積層構造物

簡単に言うとラミネート加工とは、複数の素材を貼り合わせることを言います。別の素材と一緒にすることで、本来の欠点をカバーしつつ、新たな価値を生み出す技術でもあります。
ラミネート加工は、印刷物やテープ、建材、容器などありとあらゆる資材に用いられる技術です。

ここでは生地に対するラミネート加工についてお話します。

ラミネート加工生地

表面に別素材のフィルムを貼って、防水効果や保温効果を高める加工を施した生地のことを言います。通常、ポリウレタン樹脂※1やポリ塩化ビニル樹脂※2を素材としたフィルムが使われますが、生地にはポリ塩化ビニル樹脂が使われることの方が多いと言われています。
ナイロンなどの化学繊維や、綿や麻などの天然素材の生地にラミネート加工を施します。

※1 イソシアネートとポリオールを混合し反応させたポリマー。弾力性、クッション性に優れている合成ゴムの一種。

※2 石油を原料とする合成樹脂。熱可塑性(ねつかそせい)プラスチックの一種。

ラミネート加工の方法

  • 接着剤で貼り付ける
  • 合成樹脂で融着する
  • フィルムを加熱して接着する

主にこれらの3つの方法があります。生地へのラミネート加工は、表面にフィルムを貼りつけることがほとんどです。

このような加工機で、綿、シーチング、タフタなどの化学繊維を強い接着力でラミネート加工するようです。

ラミネート生地の仕様

ポリ塩化ビニル樹脂の種類の違いにより、ツヤあり(光沢あり)とツヤなし(マット)の生地が存在します。10年ほど前は、手芸店でツヤありのリバティラミネート生地が手に入っていましたが、最近はほぼ見かけなくなりました。

圧着するビニールの厚みも様々で、リバティ生地への加工に使用されるビニールの厚みは0.2ミリ~0.15ミリが多いようです。

ツヤなしラミネート

ポリ塩化ビニル樹脂の特徴

  • 酸やアルカリに強い
  • 水を通さない
  • 電気を通しにくい
  • 耐久性に優れている:通常の使用環境下での経年劣化が少ないです。
  • 着色やプリントの加工が可能
  • 耐熱性に乏しい:耐熱温度は60~80℃です。

これらの特徴を持つフィルム(ビニール)と生地が重なり、ラミネート生地が生まれます。

ラミネート生地の特徴

メリット

  • 汚れがつきにくく、落としやすい
  • 防水性に優れている
    • ビニールに撥水機能があるため、すぐに水がしみこみません。
    • 縫い目からは水がしみこみます。
  • 保温性に優れている
  • ほつれにくい
    • ビニールが生地の糸をおさえてくれているので切り口がほつれることはありません。切りっぱなしで大丈夫です。
  • 耐久性がある
    • ビニールが表面を保護して傷をつけにくくし、穴が空いても生地がほつれません。
  • しわになりにくい
    • コーティングすることにより、ハリやコシが出てシワになる心配はありません。バッグを作る時など、接着心を貼る必要がありません。

デメリット

  • 洗えない
    • ビニールと生地を接着させているため、接着力が落ち易く剥離する可能性が高いので、常時水滴がつく環境下では使えません。
  • 高熱に弱い
    • ビニールの耐熱温度は60~80℃です。高熱でビニールが溶けるため、表側はアイロンをかけられません。裏側に当て布をして低温でかけるのが安全です。
  • 通気性が悪い
    • コーティングすることにより、通気性が悪くなり、蒸れやすい特徴があります。
  • 縫いにくい(やり直しがきかない)
    • 生地の滑りが悪いため、ミシンで縫う時に突っ張りやすく目が詰まりがちです。テフロン加工の押さえ金を使用する必要があります。
      特にツヤありタイプの生地は、非常に縫いにくいです。
    • 一度空いた穴はふさがらないため、やり直しができません。待ち針を使うこともできないため、クリップなどで生地同士を固定する必要があります。
  • 経年変化で黄色くなることがある
    • 時間が経つと硬くなり、黄色く変色することがあります。紫外線・湿気・染色の成分など様々な要因が重なって起こるようですが、はっきりとした原因は不明です。白地・ピンク系の生地は特に目立ち易いようです。

ラミネート生地は何に使われる?

以上の特徴を生かして、次のような商品にラミネート生地が使われます。

  • ポーチ
  • バッグ
  • テーブルクロス
  • ランチョンマット
  • プールバッグ
  • 子供用エプロン
  • ランドセルカバー
  • ペットボトルカバー
  • 保冷バッグ

水回りで使用するもの、汚れやすいもの、などに使われることが多いようです。気兼ねなく使えるのが魅力の一つだと思います。

ラミネート生地を使う時の豆知識

縫う時

  • 前述しましたが、ラミネート生地は縫いにくいため、テフロン加工の押さえ金を使用する等工夫が必要です。また、ツヤありラミネートはかなり縫いにくいので、初心者さんはツヤなしラミネートを使うことをオススメします。
  • 一度空いてしまった穴はふさがりませんので、マチ針を使うことはできません。クリップか、両面テープで生地同士を固定すると良いでしょう。また、生地の上に型紙を置いてカットする際、型紙のずれを防ぐためにマスキングテープを使って仮止めするのもオススメです。
  • ラミネートにはチャコペンシルでラインを書くことができません。ポケットの中央部分に一本縫い目を入れて、ポケットを二つに分けたい時などには、縫いたい箇所にマスキングテープの端を合わせて貼り、直線のガイドラインを作るという方法があります。マスキングテープの端を縫えばまっすぐ縫えるというわけです。縫い終わった後、テープを剥がすだけでOKです。

保管方法

ラミネート生地に一度折り目がつくと、なかなか取ることができません。裏側からアイロンをかけられる場合もありますが、完全に折り目は取れません。可能な限り丸めて保管することをオススメします。

購入時の注意点・生地のゆがみ
ラミネート生地自体を作る工程で柄がゆがんでしまう特徴があります。縦や横に線が入っている柄などは特にゆがみを感じやすいです。表面積の大きな物を作る場合は、生地のゆがみがない部分を選ぶ必要があるため、予定よりも少し多めに生地を購入するか、初心者の方はゆがみを感じにくい柄を選ぶと良いでしょう。

縦と横の柄が垂直になっていません

・発送方法
購入時に配送料の安い郵便配達を選択すると、折り畳んだ状態で届きます。小さな物を作る場合は折り目を避けて作成できるかもしれませんが、バッグなど表面積の大きな物を作る場合は、折り目がついた状態で完成してしまいます。
一般的にラミネート生地は、巻いた状態で発送してもらう方が良いでしょう。その場合は宅配便になりますので、送料は割高になります。

最後に

ラミネート生地とはどのようなものなのか、お分かり頂けましたでしょうか。メリット、デメリットがありましたね。それでも、用途によってはラミネート生地は最強といえそうです。作る側にとっても、ラミネート生地は布帛のような水通しが不要、アイロンをかける必要なし、接着心を貼る必要なし、といった利点が多数あります。

使い手、作り手、それぞれの考えやニーズに合わせて生地を選ぶことの大切さを改めて実感しました。リバティ×リバティでも、これまで以上に工夫を凝らして、より良い商品を揃えていこうと思います。

この記事の著者

秋山 良枝

広島県生まれ。2歳から11歳までブラジルで過ごす。神戸市の大学を卒業後、5年間企業勤め。30歳で看護師免許を取得。
都内の大学病院勤務を経て子育て中に 子どもが中身を把握でき、自ら探せるポーチを手作りしたことがリバティ×リバティの原点。
2013年から制作活動を開始。看護師の経験を生かし、お子様からご高齢の方まで誰もが使いやすいポーチ作りに励んでいる。

“ラミネート生地とは?” への3件のフィードバック

  1. […] 以前「ラミネート生地とは?」で詳しく書きましたので、ここでは簡単にお伝えします。 […]

  2. […] 少し前に、ご依頼を頂戴してフェルダの生地でポーチやバッグを作成しました。使った生地はお馴染みのタナローンのラミネートとリサイクルナイロンリップストップでした。 […]

  3. […] ラミネートの特徴の一つとして、生地にゆがみができることがあげられます。ラミネート生地自体を作る工程で柄がゆがんでしまうのです。 […]

関連記事

プライバシーポリシー / 特定商取引法に基づく表記

Copyright © 2024 リバティ×リバティ All rights Reserved.
ショップリンク