秋山 良枝
広島県生まれ。2歳から11歳までブラジルで過ごす。神戸市の大学を卒業後、5年間企業勤め。30歳で看護師免許を取得。
都内の大学病院勤務を経て子育て中に 子どもが中身を把握でき、自ら探せるポーチを手作りしたことがリバティ×リバティの原点。
2013年から制作活動を開始。看護師の経験を生かし、お子様からご高齢の方まで誰もが使いやすいポーチ作りに励んでいる。
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リバティプリントの中でも、長く愛され続けている「カペル」。小さな花が規則正しく並ぶ、シンプルな花柄です。一見すると、とても控えめ。
けれど、リバティを好きな方なら「カペル」と聞いただけで、なんとなくあの柄を思い浮かべるのではないでしょうか。
華やかな大柄とは違い、主張しすぎないのに、どこか印象に残る。洋服にも、小物にも、暮らしの中にも自然になじむ。今回は、そんな「カペル」がどのような柄なのか、その歴史や特徴、そしてカペルから生まれたさまざまなデザインまで、少し詳しくご紹介します。
「カペル(Capel)」は、1978年に初めてリバティのタナローンにプリントされたデザインです。そのルーツは、1930年代のリバティのヴィンテージスタイルの花柄。
リバティの公式サイトでは、1930年代のヴィンテージスタイルの花柄にインスピレーションを受けて生まれたデザインであることが紹介されています。そして1993年には、リバティを代表する「クラシック・コレクション」に加わりました。
つまりカペルは、登場してからすでに長い年月を経た今も、定番として残り続けている柄なのです。1978年に初めてプリントされ、1993年にクラシック・コレクションへ。そして現在もエターナル・コレクションで展開されています。
これだけ長い間、愛され続けているということは、それだけ「時代に左右されにくい魅力」を持った柄なのかもしれません。
カペルをじっくり眺めていると、「これは何の花なんだろう?」と思ったことはありませんか?
リバティ公式の説明では、カペルは「1930年代のヴィンテージスタイルの花柄」にインスピレーションを受けたデザインとされていますが、特定の植物を写実的に描いた柄として、花の種類までは明記されていません。
むしろ、カペルの魅力は「何の花なのか」を一つに決めることではなく、花そのものをシンプルな線で表現しているところにあるように思います。リバティ公式も、カペルについて「シンプルなアウトラインと美しいカラーリングで表現される花柄」と紹介しています。
英国のリバティ公式サイトでは、さらに「小さく、ゆるやかなタッチで描かれた、全面リピートのデザイン」と説明されています。細密な植物画のように花を描き込むのではなく、必要な線だけを残して、小さな花を繰り返す。
この「描きすぎない」ことが、カペルの軽やかさにつながっているのかもしれません。
カペルを見ていると、もう一つ気づくことがあります。それは、色によって印象が大きく変わること。柄そのものは同じでも、淡い色なら可憐でやさしい印象に。
深い色なら落ち着きのある大人っぽい印象に。
明るい色なら、春夏らしい軽やかな雰囲気に。花の輪郭がシンプルだからこそ、色の組み合わせがそのまま柄の印象になります。リバティ公式もカペルを「美しいカラーリング」で表現される花柄と紹介しています。
同じ柄なのに、色が違うとまるで別の柄のように感じる。これもカペルの面白さです。
カペルのような小柄は、洋服にしたときにもとても使いやすい柄です。
リバティ公式のカペルの商品ページでは、ドレス、パジャマ、パンツ、シャツ、スカート、トップスなどの衣類のほか、バッグ、ヘアアクセサリー、財布などの小物、さらにブランケット、ランプシェード、寝具、テーブルリネン、クッション、キルトなど、幅広い用途が紹介されています。
花柄というと、どうしても「女性らしい服」のイメージが強くなりがちですが、カペルは小さな花とシンプルな線で構成されているため、暮らしの中のさまざまなアイテムに取り入れやすいのでしょう。
大きな柄なら、柄そのものを主役にしたくなります。
でもカペルは、アイテムの形や用途を邪魔せず、それでいて無地にはない表情を加えてくれます。
長く愛されている定番柄だからこそ、カペルはそのまま使われるだけではありません。時代やコレクションに合わせて、新しい表情を見せています。

その代表ともいえるのが、「カペル・ペッパー」。これは、カペルとリバティのもう一つのアイコニックな定番柄「ペッパー」を組み合わせたデザインです。

カペルの明るく繊細な花と、ペッパーの密度のある表現を組み合わせることで、同じ定番柄でも全く違った印象に。
カペルはリバティのアーカイブに保管されている1930年代のプリントがベースとなっており、1978年に初めてタナローンにプリントされました。
一方のペッパーは1974年にデザインされ、1979年にタナローンのクラシック第一弾として発売されています。
どちらも長く愛されてきた柄。その二つを組み合わせることで、昔からある柄に新しい魅力が生まれています。

もう一つ興味深いのが「カペル・フローレット」です。こちらは、ひと目でカペルと分かる定番デザインを、マルチカラーで表現したもの。
花の色を鮮やかにすることで、オリジナルのカペルとはまた違った表情を見せています。「昔からある柄だから、昔のまま」というわけではありません。カペルの特徴を残しながら、色や表現を変えることで、今の時代にも新鮮に見えるように再解釈されています。

カペルには、もう一つ面白い展開があります。先染めのギンガムチェックに、カペルをプリントした「チェック&プリント」。チェックの上に花柄を重ねることで、カペル単体とは違ったリズムが生まれています。
カペルのようなシンプルな柄だからこそ、他の柄や素材との組み合わせも楽しめるのでしょう。
1930年代のヴィンテージスタイルの花柄からインスピレーションを受け、1978年にタナローンにプリントされ、1993年にはクラシック・コレクションへ。
そして現在もエターナル・コレクションで販売されているカペル。長い歴史の中で、流行に合わせて姿を変える柄もたくさんあります。
その中でカペルが長く残ってきた理由は、「ちょうどいい」柄だからなのかもしれません。小さすぎて存在感がなくなるわけでもなく、大きすぎて柄だけが主張するわけでもない。
洋服にしても、小物にしても、インテリアにしても使いやすい。そして何より、色を変えることで印象を変えられる。
シンプルだからこそ、合わせるものによって表情を変えられる。それがカペルの強さなのではないでしょうか。
リバティ×リバティでも、カペルはさまざまなポーチに仕立てています。小さなサイズなら、カペルの花がひとつひとつ可愛らしく見えます。
少し大きなサイズになると、花が連続して並ぶことで生まれるリズムが楽しめます。そして、クリアポーチなら、ファスナーや中に入れるものとの組み合わせによって、また違った表情に。
カペルは「柄を見せるためのポーチ」にも、「毎日使うためのポーチ」にも向いている柄だと思います。柄そのものが主張しすぎないので、バッグの中に入れても、バッグから取り出しても自然。
それでいて、無地のポーチにはない、リバティならではの楽しさがあります。
カペルについて調べていくと、1978年に初めてプリントされたという数字だけではなく、1930年代のヴィンテージスタイルから生まれ、長い年月を経てクラシック・コレクションに残り、さらにカペル・ペッパーやカペル・フローレットのように、新しい姿にも変化していることが分かります。
「昔からある柄」というだけではありません。長く愛されているからこそ、今も新しい楽しみ方が生まれている。
そんなところにも、カペルの魅力があるのではないでしょうか。お気に入りの色のカペルを見つけたら、今度はその柄で作ったポーチにも、ぜひ注目してみてください。
同じカペルでも、サイズや形、ファスナーの色によって、また違った表情を楽しんでいただけます。
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