秋山 良枝
広島県生まれ。2歳から11歳までブラジルで過ごす。神戸市の大学を卒業後、５年間企業勤め。30歳で看護師免許を取得。
都内の大学病院勤務を経て子育て中に 子どもが中身を把握でき、自ら探せるポーチを手作りしたことがリバティ×リバティの原点。
2013年から制作活動を開始。看護師の経験を生かし、お子様からご高齢の方まで誰もが使いやすいポーチ作りに励んでいる。
フローラルイヴの魅力を探る-リバティの植物標本デザイン
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フローラルイブ-Floral Eve
ご依頼を頂戴して7点のポーチを作りました。
フローラルイヴは、2013年春夏コレクションで発表された柄で、それぞれの花がほどよい間隔を開けて配置されています。写実的に、茎や葉、花びら、木の実が描かれており、甘すぎないパきっとした印象のリバティ柄です。
LIBETY.公式HPには、フローラルイヴのことをこう説明しています。
2013年春夏コレクションで発表された柄です。レイチェル・ペダー・スミスが完成まで766日を費やした長さ5メートルを超える大きな「植物標本画集」の中からとった柄です。現代のDNAをもとにした分類システムに沿った順番で顕花植物を科名ごとに一つの標本に描いていくというこの作業は、まさに芸術と科学の融合です。デザインに選んだのは最も花の各要素が表れたものでした。https://www.liberty-japan.co.jp/item/detail/1_2_13-3633189-TEE_ZE_LF/ZE
レイチェル・ペダー・スミス
5メートルもの画集を描いたレイチェル・ペダー・スミスとはどのような人物なのでしょう。彼女はイギリスの植物の画家で、植物の美しさを詳細に緻密に描いた作品で注目されています。ロンドンの南西部にあるキュー王立植園などで所蔵されており、植物に着想を得たデザインや植物標本があります。
彼女のHPでその植物標本画集を見ることができます。例えばこの花が
リバティのフローラルイヴにこう↓描かれていますね。
ちなみに、黄色の〇のお花はColchicaceae（Gloriosa superba）イヌサフラン科グロリサオです。
赤色の〇は、Alstroemeriaceae（Alstroemeria aurantiaca）ユリズイセン科（アルストロメリア科）の花です。
別の花も見てみましょう。標本内のこれらが
色味が少し変わっていますが、↓の〇部分に描かれています。
緑の〇の花は、Symphoremataceae（Sphenodesme ferruginea）で、ツル性の植物で葉は対になって生えるそうです。
青い〇の花は、Scrophulariaceae (Digitalis purpurea) ジキタリス属で薬用または観賞用に栽培されている種です。
標本に描かれた植物はなんと700種類を超えていました。これらをリバティ柄として採用する、その着眼点が面白いです。
フローラルイヴのポーチ
この柄がポーチになると、こんな風に変身しました。
少し雰囲気が柔らかく、より女性らしくなった気がします。一つ一つのパーツが割と大きめに描かれていますが、小さめポーチでも圧迫感を感じません。ほどよい空間が効いているのでしょうか。
全体的にお花が明るめに描かれているので、軽やかに見えるのかもしれませんね。
リバティ柄
これまでリバティの柄をこまかく追及することはあまりしてきませんでしたが、このように少し知るだけであら不思議。ぐっと親近感が湧いてきます。一つ一つの花をじっくり見る良い機会になりましたし、花の配置や色、縮尺を変えるなど幾度も工夫を重ねたのだろう、と想像できました。こうやって、気になるリバティ柄を調べてみるのも悪くありませんね。楽しいひと時でした。
柄の出方
