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リバティの柄図鑑

リバティのアイアンシ-アールヌーヴォーの美学を纏う

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アールヌーヴォーの典型的なデザインと言えるアイアンシ。今回はこの柄について調べてみました。

アイアンシ-Ianthe

LIBERTY.公式HPで、アイアンシについて次のように説明がされています。

フランスの著名なアールヌーヴォーデザイナー、R.ボークレアが1900年頃に制作し、 その後デビッド・ハワード・スタジオによって描き直されました。アイアンシとは、ギリシャ語でスミレや紫の小さな花を意味するため、スミレをモチーフにしたとも思われています。https://www.liberty-japan.co.jp/features/design-and-living/1441

「アイアンシ」は、1967年にリバティのために初めてプリントされ、アールヌーボー様式のリバイバルの一環として登場しました。エドワード朝時代から1980年代まで3世代にわたりリバティにデザインを販売してきた家族経営のテキスタイル会社、ハワード・スタジオにより「スウィンギング・ロンドン」市場向けにリメイクされました。60年代に再登場した「アイアンシ」はリバティのカーナビー・ストリートの顧客の間で瞬く間にヒット。元々は家具やドレス用生地に使われていましたが、スカーフに使われるようになりました。このデザインは1986年にタナローン・クラシックコレクションに加わりました。https://www.liberty-japan.co.jp/features/design-and-living/1126

アイアンシの元となる柄は、120年以上も前に作られた柄なのですね。歴史のある柄について見ていきましょう。

アールヌーヴォーとは

まず、簡単にアールヌーヴォーとは何かを説明します。

アールヌーヴォーとは、フランス語で「Art Nouveau 新しい芸術」を意味します。大きくは、19世紀末から20世紀初期にかけてヨーロッパを中心に広まった芸術運動のことを言います。

19世紀、産業革命が全盛期を迎え、大量生産により粗悪品が溢れました。その風潮に危機感を持ち、生活と芸術を統一するアーツ・アンド・クラフツ運動が起こりました。昔ながらの手作りによって質の高い芸術品を生み出し、それを生活の中に取り入れる呼びかけです。

その流れを受け、鉄やガラスを中心としたその時代の新しい素材を用いて社会や生活に芸術を取り戻そうとした動きをアールヌーヴォーと言います。家具、工芸品、絵画、建築、ジュエリーに至るまで多方面で展開されました。

アールヌーヴォーは、植物や、昆虫、動物など有機的な自然をモチーフとし、自由な曲線と組み合わせたデザインが特徴です。

アールヌーヴォーはリバティの店とも密接な関係があり、リバティはアールヌーヴォーの代名詞とも言われています。第一次大戦勃発(1914年)による社会の変化により、装飾性が高く大量生産に向かないアールヌーヴォーは時代遅れとなり、約20年で幕を閉じてしまいました。

その後リバティは1960年代にアールヌーヴォーの復活に貢献しました。

アールヌーヴォー全盛期19世紀末の建築

ベルギー アントワープ中央駅
フランスの建築家エクトール・ギマールによるパリの地下鉄駅出入り口

R.ボークレア-R.Beaclair-

アイアンシは、もともと1902年頃にフランス人アーティストR.ボークレア(R.Beaclair)により、壁紙の縁取りとして作成されました。1967年にリバティのために初めてプリントされ、アールヌーボー様式のリバイバルの一環として登場しました。

↓こちらはR.ボークレアによるデザインです。いくつかあった作品の中でもっともアイアンシに近いと思ったデザインを選んでみました。

お花は描かれていませんが、ほぼ曲線で描かれて、とっても優雅なデザインです。

アイアンシのモチーフ-すみれ-

すみれという意味をもつアイアンシ(IANTHE)。この柄には3か所に花が描かれています。これらがスミレをモチーフにされているのでしょうか。

アイアンシから生まれた柄

アイアンシ・ブロッサム

アイアンシブロッサム/2022AW「THE HOUSEOF LIBERTY(ザ・ハウスオブリバティ)

リバティプリントとして有名なエマ・アンド・ジョージーナ、フィービー、ケイティ・アンド・ミリーを使ってアイアンシを再構築した柄です。

上からエマ・アンド・ジョージーナ、フィービー、ケイティ・アンド・ミリー

これらの、リバティの王道と言われる小花柄とアールヌーヴォー柄のコラボレーション。一気に華やかになりました。

アイアンシ・ワントーン・グラデーション

アイアンシ/2024春夏カプセルコレクション / ワントーン・グラデーション

永く愛されているアイアンシが、同系色のグラデーションで表現した「ワントーン・グラデーション・コレクション」から登場しました。気品が溢れています。

まとめ

どれもアールヌーヴォーの時代のアイコンが時代に合わせて新しく生まれ変わっています。
日本で言うと、少し時代が前後しますが葛飾北斎の冨嶽三十六景が現代的に生まれ変わるのと同じようなイメージでしょうか。

いずれにせよ、時代ごとに生まれ変わるデザインそれぞれに魅力があります。新しい柄を堪能したり、原点に戻ったり、年代や気分によって柄を選べる自由さ。

今日はアイアンシについてお話しましたが、リバティにはそんな楽しみ方も備わっています。皆様もアイアンシから、いろんなことを感じとってください。

この記事の著者

秋山 良枝

広島県生まれ。2歳から11歳までブラジルで過ごす。神戸市の大学を卒業後、5年間企業勤め。30歳で看護師免許を取得。
都内の大学病院勤務を経て子育て中に 子どもが中身を把握でき、自ら探せるポーチを手作りしたことがリバティ×リバティの原点。
2013年から制作活動を開始。看護師の経験を生かし、お子様からご高齢の方まで誰もが使いやすいポーチ作りに励んでいる。

“リバティのアイアンシ-アールヌーヴォーの美学を纏う” への1件のコメント

  1. […] アールヌーヴォー柄のアイアンシについて詳しく調べてみました。ご興味のある方はこちらをご覧ください。 […]

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